撮影日:2021年8月14日
動画:「名古屋ー豊橋の移動に正規料金を払ってはいけない理由」
はい、やっとかめしております!
本日はJR東海の豊橋駅に来ております。ちょうど在来線と新幹線の乗換改札のところです。
本日はこれから豊橋から名古屋まで新幹線こだま号の自由席に乗車していきます。
豊橋から名古屋まで途中に三河安城駅がありますが、東海道新幹線ができた1964年からあった駅ではないので、豊橋から名古屋は隣の駅ではないにも拘わらず新幹線の特定特急券料金が適用されて、自由席なら990円で乗車することができて、割とお得な区間になっています。
※三河安城駅は1988年に地元が費用を出して作った請願駅です。
一見、お得に見える豊橋~名古屋の新幹線課金ですが、実はかなり損をしているという実態があるのです。
今回は同行者が唐突に新幹線に乗りたいと言い出して仕方なくこのこだま739号に乗車しますが、今回の動画ではその正規料金を払うと損をするという実態について取り上げていきたいと思います。
自動放送「The train at track No.16 is NOZOMI 243 bound for Shin-Osaka via Kyoto...」
ということで、名古屋に到着です。豊橋から名古屋まで在来線の列車で約1時間ですが、新幹線を利用すれば約30分と特定特急券の990円を払って所要時間を半分にするのは価値がありそうに思えますが、実はかなり損をしていることになるのです。
ということで、別の日の場合において、もっと安く豊橋~名古屋を移動できる裏技をご紹介したいと思います。
ということで、豊橋駅の指定席券売機にやってきました。
早速券売機を操作していきますが、今回購入するのはこちら。
名古屋から豊橋のカルテットきっぷというものです。
金額をみると3560円。普通に購入すると、運賃1340円・特定特急券990円の合計2330円で一見すると先程のきっぷよりも高そうに見えますが果たしてどういうことでしょうか…
発券するのにずいぶん時間がかかっていて、券売機から出てくるのが(カードの利用票を含めて)8枚になりました。
出てきたきっぷを見てみると、表紙と書かれたものや同じ内容の書かれたものが4枚ありました。
「カルテット」とは、英語(Quartet)やイタリア語(Quartetto)で「4人組」「四重奏」を意味して、このカルテットきっぷは4枚綴りの回数券になっています。
そのため、3560円ですが1枚あたり890円となるので、かなりお得に利用できます。
ということはカルテットきっぷの890円に特定特急券の990円で1880円…と言いたいところですが、実はカルテットきっぷは特別企画乗車券というもので普通の乗車券や回数券とは異なるので新幹線の特定特急券や指定席特急券とは併用が出来ないのです。(特急伊那路号は特定特急券を別途購入することで普通車自由席に限り利用することが出来るようです)
「だったら駄目じゃないか!」と思ってしまいそうですが、ここでもう一度券売機を見てみると…
「往復・カルテット専用新幹線変更券」というものがあります。
なんと、カルテットきっぷで新幹線に乗車するには「往復・カルテット専用新幹線変更券」というものが必要になります。
乗車日は土休日ダイヤでの運転日でしたので、400円となっています。
これも購入して、カルテットきっぷと新幹線変更券を握りしめて改札を通って乗車していきます。
カルテットきっぷについて詳しくは後ほど解説するとして、新幹線ホームに降りてきました。ちょうどこのタイミングで新幹線が入線しましたこの新幹線はN700Aです。タイミングが非常によかったのですが…
この日は大雨の影響によって20分程列車が遅れていたのです。
とはいえ、今回はこの列車が遅れていたため、本来出発していたはずの列車に乗車することが出来るので、この素晴らしいきっぷに加えてこのこだま711号にも感謝しかありません。
このこだま711号新大阪行きに名古屋まで乗車していきます。
今回利用した新幹線の変更券を利用できるのは自由席のみ、ということで自由席の号車へと移動していきます。
車窓に目を移すと、名鉄特急が反対ホームの向かい側に見えました。
実は、名鉄の正規運賃は1140円で、今回利用した乗車券類はカルテットきっぷ890円・新幹線変更券400円の1290円となります。名鉄よりも150円高いですが、所要時間はなんと半分になるのです。
というわけで、今回はこのカルテットきっぷというものを使ってきたのですが、実はこのきっぷが名古屋~豊橋で正規料金を払うのが馬鹿馬鹿しく感じるぐらいお得なきっぷになっているのです。ここからは詳しく解説していきます。
先程もちらっと触れましたが、回数券となっているカルテットきっぷは4枚綴りで3560円なので、1枚あたり890円となっています。
これにプラスして平日は520円・土休日は400円の新幹線変更券を付け足すことで新幹線にも乗れてしまうというお得な回数券になっているのです。
この組み合わせで土休日は1290円・平日は1410円となり、正規運賃でJRの在来線を利用すると1340円なので土休日についてはTOICAで在来線に乗車するよりも50円安く、平日でも70円追加するだけで新幹線に乗ることが出来るのです。この回数券と変更券がいかにお得なのかがお分かりいただけるかと思います。
動画中でカルテットきっぷと新幹線変更券の合計金額を1390円(平日は1510円)とご案内しておりますが、正しくは土休日1290円(在来線の正規運賃より50円安い)・平日1410円(在来線の正規運賃に+70円)となります。
なお、金額につきましては動画を公開した2021年10月現在での情報です。最新の情報はJR東海のホームページ にてご確認ください。
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「うまい話には裏がある」という言葉がありますが、非常にお得なこのカルテットきっぷにもトラップというのが存在するのです。このトラップを知らずに利用すると、お得になるどころか逆に大損をしてしまうことになるのです。2つあるトラップをここからは紹介していきます。
まず、1つ目は有効期限が設定されているということです。
有効期限が設定されているのは他の乗車券も当たり前のように当てはまりますが、このカルテットきっぷは回数券タイプなので「回数券と同じだろう」と甘く考えてはいけません!
券面に「8月14日から9月13日有効」と記載されていますが、このカルテットきっぷは1か月以内に4回分使わないとただの紙切れと化してしまうのです。
今回、私は鉄道系YouTuberの謎のちゃんねるさん 、みしまひゅうい…じゃなくてけいじぇーさん ともう一人視聴者の方の合計4人で利用しましたのでこの点について注意する必要はなかったのですが、もしもこれを1人で利用する場合は注意が必要となるポイントになってきます。
「1人で名古屋~豊橋を往復する用事があるけど1か月に2回使う機会があるかどうか分からない」という方には金券ショップ…が頭をよぎりますがそれ以外にも便利なものがありますので、こちらの記事をご覧の方向けにご案内いたしますので最後までお見逃しなく!
2つ目は、このきっぷが名古屋と豊橋の移動に使えるきっぷではあるのですが、乗降できる駅がかなり限られているということです。
豊橋ゾーンは豊橋・二川と飯田線の豊橋~豊川間、名古屋側は(特定都区市内における)名古屋市内の駅でしか乗降できないのです。ここで落とし穴となっているのは、乗越精算ができないという点です。
例えば、豊橋から乗車して岐阜まで乗車した場合、通常の回数券を利用した場合は手持ちの乗車券から飛び出した名古屋~岐阜の運賃を岐阜駅で精算すれば問題ないのですが、このきっぷの場合は全区間の運賃を支払わなければいけないのです。
これを回避するために、名古屋駅で一旦改札を出てからきっぷを購入したりICカードを使ったりして再度入場する必要があるという落とし穴があるのです。
※乗越精算ではなくて他の乗車券との併用で乗り通すことも考えられますが、話がややこしくなるのでここでは割愛します
※新幹線を使う場合はあり得ませんが、豊橋~大府のように乗越ではなくて内方での完結の場合は通常の乗車券と同様に下車前途無効の扱いで名古屋(市内)~大府の乗車権利を放棄したものと見做されます。
自動放送「まもなく、三河安城です。お出口は左側です。東海道線はお乗換です。三河安城を出ますと、次は名古屋にとまります。」
一般的に三河安城駅といいますと、のぞみ号に乗車していて名古屋で降りる時に「降りる準備を始めなければ」という目印になっている駅ですが、今回はこだま号に乗車しているのでちゃんと三河安城駅に停車します。そして、ここではのぞみ号の通過待ちをすることになっています。
通過待ちということで時間のロスがありますが、これでも豊橋~名古屋を在来線の半分程度の時間で移動することができるのです。
車内放送「まもなく、発車します。三河安城を出ますと、次は名古屋にとまります。ドア付近にお立ちのお客様、閉まりますドアにご注意ください。」
今回、私は豊橋~名古屋以外の行程は青春18きっぷを用いて移動していたわけですが、青春18きっぷを利用している際には到底味わうことが出来ない時速200km以上の高速移動を1290円の追加での支払いで体験できているともいえるのです。非常に優越感に浸ることのできるシーンです。
自動放送「♪(JR東海の途中駅チャイム)まもなく、名古屋です。東海道線、中央線、関西線と、名鉄線、近鉄線、あおなみ線、地下鉄線はお乗換です。今日も新幹線をご利用くださいましてありがとうございました。」
車内放送「名古屋駅から特急列車ご利用のお客様にご案内いたします。本日、大雨のため、名古屋駅を発車いたします、しらさぎ号・しなの号・ひだ号はすべての列車で運休が決定しております。お乗換のお客様、ご注意ください。
お忘れ物が大変多くなっております。お降りの際は身の周り、座席周り、座席前の網ポケットと荷棚の上をいま一度お確かめください。
We will soon make a brief stop at Nagoya. The doors on the left side will open.
Please member not to leave your belongings. After leaving Nagoya, will be stop at Gifu-Hashima.
The Limited Express Hida, Shirasagi and Shinano has been canceled today due to heavy rain.
We apologize for inconvenience.
」
素晴らしい英語での肉声放送です。通常JR東海では遅れたり運休が発生したりしても「ご迷惑をおかけしております」と謝らないのが一般的ですが、英語だとちゃんとapologize(アポロジャイズ・謝罪)しているのが印象的でした。
駅放送「列車遅れましてご迷惑をおかけしました。」
というわけで、今回は名古屋~豊橋の移動に正規料金を払うとかなり損をしてしまうということをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
なぜこのようなお得なきっぷが設定されているかと申しますと、この区間で名鉄も路線を持っていまして、在来線と比較してみると名鉄の方が若干安くて所要時間が短いのです。
そんな競合他社の名鉄に客を奪われるくらいなら、新幹線を叩き売りしてしまえという発想でこのような安いきっぷが販売されているのです。
名鉄の方も対抗して「なごや特割2」「なごや特割30」等の割引きっぷが販売されていますが、時間の面では流石に新幹線には敵わないということで、このようなカルテットきっぷが非常にお得に新幹線に乗れる手段として存在しています。
そんな資本主義の良いところが見れたところで、今回の動画は終わりです。
というわけで、最後までこちらをご覧いただき…ちょっと待ってください、最後にこちらをご覧の皆様にカルテットきっぷ以外に便利なものをご紹介しますのでもう少々お付き合いください。
一人で名古屋~豊橋をその日のうちに往復乗車する場合は「豊橋往復きっぷ(名古屋発)」「新城・本長篠往復きっぷ(名古屋発)」「名古屋往復きっぷ(豊橋・飯田線本長篠以南発)」というきっぷも設定されています。
平日の場合はカルテットきっぷよりちょっと高めになっていますが、土休日の場合は名古屋~豊橋が1560円、名古屋~飯田線の三河一宮から本長篠の間が1680円となっていて、名古屋~豊橋の片道が780円になります。
こちらのきっぷに加えてカルテットきっぷと同様に専用新幹線変更券を併用すると、豊橋~名古屋の新幹線自由席に乗車することができます。
また、専用新幹線変更券は名古屋駅・豊橋駅の指定席券売機と窓口でのみ発売となりますが、これらの往復きっぷについては乗車券と特定特急券がセットになった「新幹線豊橋往復きっぷ」「新幹線新城・本長篠きっぷ」「新幹線名古屋往復きっぷ」というものも発売されています。「行きは在来線・帰りは新幹線」という風に使い分けたい場合は"新幹線"とつかない方の往復きっぷを購入した上で新幹線に乗車する駅(名古屋駅または豊橋駅)で専用新幹線変更券を購入する方法もあります。
乗車する日・乗車する人数・片道か往復かによってカルテットきっぷや往復きっぷを使い分けてみるとよりお手頃にちょっとリッチな体験ができます。名鉄にも似たようなきっぷが設定されているので、このように複数の路線が並走する区間では是非お得なきっぷも確認した上で鉄道での移動をお楽しみください。
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