撮影日:2021年7月4日
動画:「【終電にして最速】特急しなの26号の本気がスゴすぎた!! 」
長野駅からやっとかめしております!
これから名古屋に戻るべく、最終の特急しなの26号 名古屋行きに乗車していきます。
名古屋行き最終のしなの26号は、名古屋行きしなのの最終列車であることだけではなく、名古屋行きの上り列車の中で長野から名古屋を最速で結ぶ列車であることも特徴になっています。
通常は3時間前後かかるところを、この特急しなの26号は2時間54分で長野から名古屋を結んでいます。
※下り列車ではより速く結ぶ便があります。上り列車ではしなの26号が最速ですが、しなの号全体となると下り列車の一部が最速になります。
特急しなのに使われる383系は車体傾斜装置(制御式振り子装置)を備えることで、カーブが比較的多い信濃路を時速130kmで運転することが可能となっています。しかしながら、その真価を発揮できる場面は限られているのです。
今回は、数少ない真価を発揮する場面に遭遇したということで、その模様をお届けします。
列車は出発時刻の19時40分になった瞬間、ブレーキを緩解して長野駅を発ちます。
このブレーキの緩解音といい、時刻ちょうどに発車するところといい、日本の鉄道の魅力が凝縮されていてとても気持ちいいです。
特急しなの26号が長野駅を発ったところで、このしなの号の停車駅を紹介していきます。
このしなの号は篠ノ井、明科、松本、塩尻、木曽福島、中津川、多治見、千種に停車します。このしなの号は全列車が停車する駅に加えて明科駅にも停車するので、極端に停車駅が少ないわけではありません。ですが、名古屋方面の上り列車では一番速い便となっています。
最初の停車駅、篠ノ井です。
この特急しなのは、カーブに近付くと車体を傾けて遠心力を打ち消す装置「制御式振り子装置」を搭載しています。ですが、架線の関係でこの装置を使える区間は松本~名古屋間に限られます。篠ノ井付近では制御式振り子装置を活用できないのです。
篠ノ井を発車してしばらくすると、日本三大車窓で有名な姨捨駅を通過します。夜の姨捨も捨てがたいものです。
ちなみに、この姨捨駅はこのチャンネルと縁のある駅でもあります
このような絶景をみながら車内で味わうものは味が格別です。
列車は明科、塩尻と停車していきます。
塩尻駅はJR東日本区間最後の駅です。乗務員を交代して、ここから先はJR東海の乗務員が担当していきます。
JR東海に入って最初の停車駅、木曽福島です。
ここは、名古屋と長野のほぼ中間地点にある駅となります。
そして、名古屋駅からの快速が毎時2~3本乗り入れる中津川駅。
あっという間に中京圏に入ってきました。
特急しなの号に使われる383系の特徴は、何と言ってもカーブになると車体を傾けて遠心力を打ち消す制御式振り子装置の搭載です。
カーブに差し掛かると、車体を最大で5度傾けて、313系など振り子装置の無い車両よりも制限速度を35kmアップさせることが出来ます。
このように、快適で速いしなの号を実現させるための振り子装置は、松本~名古屋間において活用されます。
現在の時刻は22時11分。列車は1分の狂いもなく多治見駅を出発しました。
これだけ正確な運転がされていますが、383系のもう一つの特徴である時速130kmでの運転は実はされることが稀なのです。
ダイヤが乱れた時に遅れを取り戻せるように余裕時分が設定されていますが、ダイヤ通りに定時で運転している際は性能を温存し、ダイヤが乱れた際に備えているのです。普通に走行している場合は時速130kmで走行することは稀なのです。
しなの号は長野から名古屋までと長距離を運行することから、名古屋行きのしなの号では余裕時分が比較的多く確保されているように思えます。恐らく、JR東日本の長野地区や単線区間が一部ある木曽地区の遅延を中京圏の名古屋近郊に近付くまでに可能な限り抑えて他の列車への影響を減らすためではないかと思います。
列車は庄内川を渡っていき、名古屋市に突入していきます。
名古屋市内に入って最初の通過駅である新守山駅では、ホームの向かい側に先行する普通列車が待機していて、しなの号は軽々と普通列車を追い抜いていきます。
特急課金した人しか味わえない優越感を味わいつつ、最後の途中停車駅である千種に突入です。
最後の途中停車駅、千種です。
22時27分、定刻通りに出発する…かと思いきや、ドアが閉まってもなかなか出発しません。
車掌「ご案内いたします。ただいま、ホーム上のお客様が急病のお客様対応を行います。発車が遅れます。ご迷惑をおかけします。しばらくお待ちください。」
なんと、ここで遅延するという案内が行われたのです。
急病人対応ということで、稀に起こることではありますが、結局この時は6分程遅れて出発しました。
しかしながら「雨降って地固まる」、ここから先がこの列車の魅力です。
ここから、特急しなの号の383系の真価を発揮することになるのです。
千種を出発しまして、JR東海の列車位置表示を確認すると、このしなの号は5分遅れていると表示されています。
残念ながら、残りの区間は10kmに満たないので、ここから遅延を取り戻すのは不可能に近いですが、それでもこのしなの号は頑張っていきます。
白衣鉄道チャンネルでお馴染みの鶴舞駅を通過しているところですが、段々とモーター音の悲鳴が聞こえてきます。
速度計を見てみると、ほぼ時速130kmに近いスピードを出していることが分かります。
これがまさに特急しなの号の真価を発揮している場面です。
遅れを1秒でも取り戻せるよう、最高時速に近いスピードで走っています。
実は、上り・名古屋行きの特急しなの号がこの区間で時速130kmを出すのは非常に稀なのです。
下り・長野行きであれば、この区間で時速130kmを出すことは割とあるのですが、上り列車だと前に列車が詰まってしまうので思うように速度を出せないことが多いのです。
今回は遅れを取り戻すために時速130kmに近い速度を出していたというわけなのです。
列車は気付いたら速度を落としてカーブに突入しようとしていました。
最後の通過駅である金山駅を通過していきます。振り子装置(車体傾斜装置)を活用しながらスピードをそれなりに出して通過していきます。
自動放送「(♪ワイドビューチャイム)ご乗車ありがとうございました。まもなく終点、名古屋です。」
というわけで、列車はまもなく名古屋駅に到着します。最後は特急しなのらしい走りを見ることが出来たのはよかったのですが、千種駅での急病の方が唯一心残りというのか心配ではあります。
幸いなことに、千種駅周辺には大きな病院がいくつもあるので、素早く救急車で搬送されて回復されたことを願っています。
結局、到着は22時39分となり、5分の遅れで終点の名古屋に到着しました。
ということで、名古屋行き最終のしなの26号は速度に余裕をもってダイヤ上では最速に、遅延が発生した場合は383系の性能を遺憾なく発揮するということでした。
「能ある鷹は爪を隠す」ということわざを体現していくような走りを魅せたしなの26号は乗り応えがあります。
夏の時期は大雨の影響で、最終である特急しなの26号が運休となることがありますが、是非視聴者の皆様にもお勧めしたい列車のひとつです。
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